握手会で指原莉乃からかけられた言葉で、人生がガラリとチェンジ

 こう語る彼女だが、12歳でアイドルを志す、という勇気ある決断ができたのも、握手会のおかげだった。

「当時指原(莉乃)さんが推しで、握手会でご本人から“かわいいから、AKBに入れるよ!”って言ってもらえたのが始まりでした。あの一言がなかったら、そもそもアイドルになろうとも思わなかったですね」

──そのころは「なりたい!」と思うより、純粋にファン目線で推していたんですね。

「そうですね。会えるだけで“尊い……!”って気持ちで(握手会に)通っていました。だからそのときも、緊張で何もお返事ができなかったんです。目の前の指原さんに会えるだけで最高なのに、かわいいって言っていただけて頭が真っ白でした(笑)」

矢吹奈子 撮影/有坂政晴

──そしてアイドルになって、指原さんとも同じグループに。HKT48でいて、よかったと思うことは?

「みんなライバルなんだけど、仲がいいんです。総選挙やシングルの選抜で順位が出るんですが、そこから“お互い頑張ろう”ってなれるのがHKT48の良さでした。私より順位が上の子がいて、彼女の順位が下がってしまったら一緒に悲しんだり……。不思議な関係ですね。ライバルだからこそ、一緒に成長できたんです」

──仲間といえば、同期で同い年の田中美久さんとは“なこみく”コンビとして人気でした。

「お互い、卒業してからも連絡を取り合っていますし、作品の感想もくれます。“今日オーディション受けてきた”みたいな話もして、いまでも戦友ですね。今日も連絡をとりましたよ」