前向きな性格も助けて、日本から遠く離れた地でも臆することはなかった

──オーディションでも、IZ*ONEとしても、寝食を共にするうちに言葉を覚えていったと。

「スタッフさんもみんな韓国の方で、起きてから寝るまで、ほぼ韓国語だけが飛び交っているような環境でした。いっぱい聞いて、いっぱいしゃべっていたら、マスターしてしまいました」

──異国での生活や、ハイレベルなレッスンも楽しめたんでしょうか。

「あまり、困難を困難と思わない性格なんです。根がプラス思考なのかも。お芝居のオーディションに落ちてもへこまないですね。悔しいとは思いますが、落ちたこと自体が悔しいのではなくて、もっとうまい演技ができたかなっていう前向きな気持ちになります。それに一晩寝たらまた元気になれるので、引きずることはないです(笑)」

 愛らしいルックスの奥で、へこたれないマインドを燃やして韓国でもファンを増やす。2021年4月にIZ*ONEとしての活動を終えると、5月からふたたびHKT48のメンバーに。2年後の2023年4月にはHKT48を卒業して、俳優業に打ち込んでいく。

矢吹奈子 撮影/有坂政晴

 常にグループでライバルや仲間がいたアイドル時代と違い、ソロでの活動でモチベーションを保てている理由は?

「作品ごとにクラス替えをしているような感覚があって、刺激になります。前に共演した方もいれば初めましての方もいるのが、学生時代のようで楽しいですね。まだちょっと人見知りなので(笑)、以前ご一緒した俳優さんに再会できると安心します」