テレビドラマ史に残る学園ドラマの名作『3年B組金八先生』シリーズ。その第2シリーズ(80年)で物語のキーパーソンとなる生徒の一人、椎野一を演じたひかる一平。本作の出演をきっかけにタレントとして大いな飛躍を遂げた。しかし、現在では芸能界の表舞台から一線を退いている。ひかるさんに何があったのか──。【第3回/全3回】

俳優として活動をこなしていたひかるさんだったが、30歳の頃に俳優業とは違う仕事に携わることになった。100円ショップ(100均)である。
「その頃はヘンな話、お金もあったんですけど、ずっと役者でやっていくのは大変だろうなって思ったんですよ。もちろん、俳優の仕事だけで食ってはいけてたんですが、友人に“何かやらないとマズイんだよね。やるんだったら今だと思うけど、何が良いかな”って相談したんです。当時、100均が流行り出した頃で、100均って素人でもできるんじゃないか、要するに商品はあるので、店を借りてそれを並べておけば良い……というシステムを聞いてたんです。足りない分は借金してやろうということになって始めました。ただ、自分はお金を出しているだけで、実際には人任せだったんです。最初の2年くらいは儲かっていましたが、その後あちこちに100均ショップができ、競合に勝てなくて結局やめたんです。残ったのは借金だけでした」