竜星さん自身が経験した「後悔」は?

――確かに、蛇沼や工藤たちの「過去への後悔」が九龍の街を動かしていきます。竜星さん自身にも、例えば後悔したことはありますか?

「もちろん後悔した経験はあります。でも後悔するというよりは“それも自分が選んだ道”として受け止めるようにしています。思い通りにならなくても、その経験を経て今の自分があると思っているので。そして結果的に後悔はしないような生き方をしたいな、と思っています」

――そして、もし過去に戻れるとしたら、どんな人生を選びますか。

「たぶん、俳優にはならないと思います。僕はスカウトという思わぬきっかけからこの世界に入って、芸能の世界で生きる大変さも味わってきました。

 だからこの職業とは違う道の楽しさも経験してみたいので、役者は絶対選ばないかなと(笑)。たとえば俳優になる前はパティシエになりたかったので、そちらに進んでみたりとか……でも何かしら創作することが好きなので、”作品”を何らかの形で作る仕事をしていると思います」

 髪を固めて眼鏡をかけ、スーツを着た蛇沼が醸し出す色気と妖しさ。こんな色濃い魅力を放つようになったきっかけの一つに、7年前のある舞台を挙げた。

りゅうせい・りょう
1993年3月24日、東京都生まれ。2013年、ドラマ『獣電戦隊キョウリュウジャー』で初主演。主な出演作にドラマ『VIVANT』(2023 年)、『ACMA:GAME アクマゲーム』(2024 年)、『潜入兄妹』(2024年)、大河ドラマ光る君へ』(2024)など。2025年は映画『ショウタイムセブン』、舞台『昭和から騒ぎ』などに出演している。

映画『九龍ジェネリックロマンス』
全国公開中
キャスト:吉岡里帆 水上恒司
栁俊太郎 梅澤美波(乃木坂46) 曾少宗(フィガロ・ツェン) 花瀬琴音
諏訪太朗 三島ゆたか サヘル・ローズ / 関口メンディー 山中 崇 嶋田 久作
竜星涼
[原作]眉月じゅん「九龍ジェネリックロマンス」(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
[監督]池田千尋
[脚本]和田清人 池田千尋
[音楽]小山絵里奈
[主題歌]Kroi「HAZE」(IRORI Records / PONY CANYON INC.)
[制作プロダクション] ROBOT
[制作協力] さざなみ
[企画・配給] バンダイナムコフィルムワークス
©眉月じゅん/集英社・映画「九龍ジェネリックロマンス」製作委員会