男性を立てなくちゃならない場面も「でも逆に、女性だから得している部分もあると思うし、難しいなぁ」

——蓬莱さんは「女性は否応なく闘わなければならないものが多い」ともおっしゃっていますが、具体的にどんなものと女性は闘っていると思いますか?

蓬莱「まず、男性社会との闘いですよね。もちろん、以前に比べれば減ったと思うけど、いまだに美醜のことであれこれ言われたり、いつも機嫌良くしていることを強いられたり、社会の中で自分の居場所を見つけられないと不幸な女性と思われたりと、まだまだたくさんのものと闘っていると思うんです」

吉高「そうですね、わたしは、男尊女卑を目の当たりにしている世代ではないけれど、それでも男性を立てなくちゃならない場面など見てきました。でも逆に、女性だから得している部分もあると思うし、難しいなぁ」

蓬莱「うちの劇団はぼくと同じくらいの年齢……50歳くらいの男ばっかりなんですけど、もうドラマチックなことは何もないんですね(笑)。だからこそ、女性たちがどうやってこの時代を生き抜き、輝いていくのかを描きたいという気持ちが強いんです」

 そんな蓬莱の言葉通り、『シャイニングな女たち』の出演者には、さとうほなみ、桜井日奈子、山口紗弥加ら、女性俳優の名前が並ぶ。

 彼女たちは、舞台上でどんなふうにシャイニング……輝くのだろうか?

吉高由里子(よしたか・ゆりこ)
1988年7月22日生まれ。東京都出身。2006年に映画『紀子の食卓』でスクリーンデビューし、第28回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞。2008年に映画『蛇にピアス』で主演を務め、日本アカデミー賞新人俳優賞、ブルーリボン賞新人賞などを受賞。これまでの主な出演作は、映画『ユリゴコロ』(2017)『きみの瞳が問いかけている』(2020)、ドラマ『最愛』(TBS系)『星降る夜に』(テレビ朝日系)、大河ドラマ光る君へ』(NHK)、舞台『レディエント・バーミン』(2016)『クランク・イン!』(2022)など。

蓬莱竜太(ほうらい・りゅうた)
1976年1月7日生まれ、兵庫県出身。劇作家・脚本家・演出家。1999年に劇団モダンスイマーズの旗揚げに参加し、以降、全公演の作・演出を務める。2019年の劇団公演『ビューティフルワールド』で第27回読売演劇大賞優秀演出家賞を、2024年の劇団公演『雨とベンツと国道と私』でバッカーズアワード演劇奨励賞を受賞。ほか、2008年の『まほろば』で第53回岸田國士戯曲賞、2017年に『母と惑星について、および自転する女たちの記録』で第20回鶴屋南北戯曲賞、2019年『消えていくなら朝』で第6回ハヤカワ「悲劇喜劇」賞を受賞。近年 の主な作品に、『ひげよ、さらば』(23年/脚本・演出)、『中村仲蔵~歌舞伎王国 下剋上異聞~』(24・25年/演出)、『消えていくなら朝』、『おどる夫婦』(25年/作・演出)など。11月に脚本を手掛けた『酔いどれ天使』が上演される。

●作品情報
パルコ・プロデュース2025『シャイニングな女たち』
作・演出 蓬莱竜太
出演:吉高由里子 さとうほなみ 桜井日奈子 小野寺ずる 羽瀬川なぎ 李そじん 名村辰 山口紗弥加
東京公演:2025年12月7日(日)〜28日(日)PARCO劇場
大阪公演:2026年1月9日(金)〜13日(火) 森ノ宮ピロティホール
福岡公演:2026年1月16日(金)〜18日(日) 福岡市民ホール 中ホール
長野公演:2026年1月24日(土)・25日(日) サントミューゼ(上田市交流文化芸術センター)大ホール
愛知公演:2026年1月29日(木)・30日(金) Niterra日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
公式サイト:https://stage.parco.jp/program/shining