時代劇特有の細かい決まりは「逆に自由」

 これまでにもドラマ『雲霧仁左衛門』(2013~2014)、映画『居眠り磐音』(2019)など、江戸時代が舞台の作品には数多く出演してきた柄本が思う、時代劇ならではの楽しさや、やりがいはどんなところなのだろう?

「わかりやすく挑むものがあるところが、楽しいですね」

 いったいどういうことだろう──?

「時代劇って、挑むものがたくさんあるんです。まず、“着物を着てちゃんと動けるようになる”というところから始まって、時代劇特有の決まり事を守らなくちゃいけない。例えば“階段を上がったり、何かをまたぐときには、必ず左足から”とか、“畳一畳に対して何歩で歩く”とか、いったい誰がそんなところまで見ているんだよ!?と思うくらいいろいろあって(笑)、でもそれらを身につけていく作業は楽しいですね」

 そして、そのひとつひとつに、日本のエンターテインメントが作り上げてきた歴史を感じると、彼は言う。

「時代劇における細かい所作は、おそらく歌舞伎とかそういう伝統芸能から取り入れながら、日本映画が培(つちか)ってきたものだと思うんです。そういう枠がキッチリあるなかでお芝居をするのは、逆に自由な気がします」

 現代物よりも?

「はい。現代劇って、しゃべる言葉も普段と変わらないし、着るものだってなんでもありだけど、その方が不自由さを感じるときがあります。そっちのほうが難しいというか」

(つづく)

■作品情報
映画『木挽町のあだ討ち』
2月27日(金)全国公開
原作:永井紗耶子
『木挽町のあだ討ち』(新潮文庫刊)
監督・脚本:源孝志
出演:柄本佑
⻑尾謙杜、瀬戸康史、滝藤賢一
山口馬木也、愛希れいか、イモトアヤコ、冨家ノリマサ、野村周平
高橋和也、正名僕蔵、本田博太郎、石橋蓮司
沢口靖子、北村一輝
渡辺謙
主題歌:「人生は夢だらけ」椎名林檎(EMI Records / UNIVERSAL MUSIC)
(C)2026「木挽町のあだ討ち」製作委員会
(C)2023永井紗耶子/新潮社

(C)2026「木挽町のあだ討ち」製作委員会