初めての登山を経て感じた「それがエネルギーを感じるということなのかな」

「10年くらい前に友人から誘われて、バリの空港で待ち合わせしたんです。山に登るシューズとウェアだけ買ってきてねと言われて。いざ山に到着してみたら、登る山は3000mもあって(笑) その友人は何度か登って途中で諦めていて、もう一回チャレンジしたかったそうです。『しのぶさんなら大丈夫じゃないかな』と言われました。バリにあるアグン山という火山なのですが、夜中に出発して頂上で夜明けを拝むという本格的な登山コースでした。それまで簡単な登山さえも行ったことがなかったのに………」

――頂上まで登れましたか?

「それが、登れたんです。6時間くらいかかりましたけどね。ずっと“諦めない”という気持ちの連続で。帰りはもっと大変。ジムで体を鍛えているわけではないし、普段はしょっちゅう車移動ですし。どうして登れたんだろう?と自分でも不思議に思い、ガイドさんに聞いてみたら『あなたは地面からちゃんとエネルギーをもらっているから。逆らってないでしょう』と言われて」

――「地面に逆らっていない」というガイドさんの言葉は、腑に落ちましたか?

「納得しました。こういう斜面なのねと、と感じながら登っていって、下りも同じように感じながら降りてきて。それがエネルギーを感じるということなのかなと。日本に帰ったらまた山を登ってみようと思いましたが、結局まだ登れていません(笑)」

 「諦めない」という強い意志を持ちながらも、斜面の起伏に身を委ね、地面からのエネルギーを味方につける。その姿は、稽古を「山登り」と呼び、軽やかに登り切ってしまう彼女の生き方そのものだ。しなやかでありながら、決して折れない芯の強さが、そこには垣間見えた。

作品概要
[作詞]スティーヴン・ソンドハイム
[作曲]ジュール・スタイン
[劇作・脚本]アーサー・ローレンツ
[演出]クリストファー・ラスコム
[翻訳・訳詞]高橋亜子
[出演]大竹しのぶ / 田村芽実 / 井上瑞稀 / 富田鈴花 / 今井清隆 / 鳥居かほり / 飯野めぐみ / 風間水希 / 石田圭祐 / 安福毅 / 櫻井章喜 / 他
[公式サイト]https://rose2026.jp/