15歳で深夜番組『11PM』に抜擢されて以来、映画、ドラマ、舞台と第一線で活躍し続ける由美かおるさん。特に時代劇『水戸黄門』での「かげろうお銀」「疾風のお絹」役として25年間お茶の間を魅了し続けた姿は、世代を超えて多くの人の記憶に刻まれている。今年で芸能生活60周年を迎え、75歳となった今もデビュー当時と変わらぬプロポーションを保つ彼女。48年ぶりとなる映画出演を果たした由美さんに、これまでの華麗な歩みと現在の「THE CHANGE」を聞いた。【第1回/全2回】 

由美かおる 撮影/有坂政晴

父を悲しませた全裸ポスターへの葛藤。「少女から大人へ」自然な一歩を踏み出せた理由

 お陰様で今年で芸能生活60周年を迎えることが出来ました。

 60年ってあっという間で、こんなに早く来ちゃったのって感じです(笑)。3歳の頃から地元の京都でバレエを始め、12歳のときに同じ中学の友達に「大阪にある西野バレエ団に行かない?」って誘われたんです。あの当時は金井克子さんをはじめとするステキなお姉様がたくさんいらっしゃって、たちまち私はトリコになって、すぐに入団。そして15歳のときに『11PM』新コーナーのショータイム出演者に抜擢されましたが、中学3年生だったので生放送には出られず、ビデオ収録で歌と踊りを披露しました。

 その後、すぐに東京に行くことになり、一緒にバレエを習っていた4歳上の先輩と上京したんです。

 それからは『同棲時代 -今日子と次郎-』と『しなの川』という映画に立て続けに出させていただきました。

『同棲時代』といえば、あのポスターを思い出す方も多いでしょう。振り向き様の、フルヌードの後ろ姿。監督の山根成之氏たっての希望で、どうしてもと説得されました。もちろん、ヌードになることへの戸惑いはあり、1か月ほど思い悩みました。父に相談したら、「絶対に許さん」と大反対されました。それでも、結局その1か月後にはカメラの前に立っていました。

 幼い頃から続けていたバレエでは、体の線が露わになる稽古着が日常でしたから、裸になることへの抵抗が、他の人よりは少なかったのかもしれません。完成したポスターを見た父が、寂しそうに「これに顔が付いていなければ良いのにな」と呟いた言葉は忘れられません。

 父には悲しい思いをさせてしまいましたが、あの経験があったからこそ、私は少女から大人の女性へと自然な一歩を踏み出せたのだと、今では思っています。

 続いて撮影した『しなの川』では、三つ編み姿の私が河原で無邪気に遊ぶヌード写真がポスターとなって、これも大きな反響を呼びましたね。現場は、男性のスタッフばかりでしたから、やはり気恥ずかしさはありました。『同棲時代』の撮影時と同じく、前貼りは使わず、本番の直前まで代役の方がポーズをとり、私がスッと入れ替わるという手法でした。

 若さというのは、人生で一度きりの輝きです。今振り返れば、あの貴重な一瞬を形に残せて良かったと、心からそう思います。