小日向文世さんが私の息子役

 一方で共演者には旧知の仲間たちもいました。橋爪功さんとは若い頃からのお付き合いで、高畑淳子さんとは以前シャンソンの場でご一緒したこともあります。松下由樹さんとも仕事を重ねてきた仲間。本当にいい現場でした。ただね、小日向文世さんが私の息子役だったんですよ。実際の年齢を聞いたら、70歳を超えているというじゃないですか。びっくりでしょう(笑)。

 終活がテーマの映画で、本編でも具体的にいろいろ教えてくれるんですけど、あまり考えてもしょうがないというのがリアルなところではあります。ただ、私は衣装も着物も、女優としてのキャリアで集めてきたものがたくさんあるので、それを野放しにしても悪いかなとは思っています。捨てるのはもったいない。かといって女優ではないウチのお嫁さんに渡しても着られるようなものじゃあない。知り合いにと思っても、誰か一人にあげると、「なぜ私には」となってしまう。ちょっとずつ始末していきたいとは思うんですけど、なかなか進みません。

 この間、八千草薫さんが亡くなったのが88歳のときだと聞いて、胸がドキッとしました。大好きな方でしたし、少しお付き合いもあったんです。計算すると、私もあと3年ちょっとでその年齢になりますから。焦りますよね。

 でもね、仕事のことを考えていると、やっぱりいいものなんです。明日、何もなければ楽でいいなとも思うけれど、こうして縁があって出ていくと、やむを得ずでも活力が出る。それはとても大事なことで。今回の作品でも、こういうものにパッと出ていく自分っていうのは結構いいなと、結果的にそう思うことができました。お仕事がないからどうしようとか、もうそういう域ではなくなっていますが、今もこうして出てるだけで私も大したものでしょ?

三田佳子(みた・よしこ)
1941年10月8日大阪府生まれ。1960年、女子美附属高校卒業と同時に東映に入社。『殺られてたまるか』のヒロイン役でスクリーンデビュー。以後日本映画全盛期を代表するスター女優のひとりとして、東映在籍中60本以上の作品に出演。1967年、独立して三田佳子事務所を設立。各社の映画、舞台、テレビ、出版等多分野に活動の場を広げ、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞・ブルーリボン賞・田中絹代賞・芸術祭賞等賞歴多数。一方で、朗読の枠を越えた音楽家との共演や、唐十郎作品・宮藤官九郎作品への挑戦など、常に新しい表現を求めるアクティブな姿勢は変わらない。2013年に文化庁長官表彰、翌年2014年には旭日小綬章を受賞。

映画『お終活3 幸春!人生メモリーズ』
出演:高畑淳子 橋爪功 剛力彩芽小日向文世 三田佳子
作・監督:香月秀之 主題歌:さだまさし「神さまの言うとおり」
公式サイト:https://oshu-kat-su.com/3/
5月29日(金)より新宿ピカデリー、イオンシネマ他全国ロードショー
(c)2026「お終活3」製作委員会
配給:イオンエンターテイメント