「男役の研究のためには、洋画も数多く観ましたね」参考にした「大好き」なディズニー作品
それまで本格的な踊りや歌の経験はほとんどなかったが、宝塚音楽学校の受験に向けてレッスンを始めた。
「子どもの頃に少しだけバレエを習っていたことはありました。でもそんなに熱心ではなくて。今思うと続けていればよかったと思います(笑)。宝塚音楽学校への受験を決意したのは中学3年の冬でした。そこから短期間で準備を進めて、2年後に宝塚音楽学校へ進学しました」
入団後は男役として歩み始めることになったが、彩輝さんは男役をどう作り上げていったのか。
「男役の先輩方の所作や背中を見て学んでいく感じでした。あとは実践ですね。『宝塚おとめ』(宝塚歌劇団に在籍する生徒を写真付きで掲載した1冊)では、毎年、やりたい役に『ピーター・パン』って書いていたんですよ(笑)。年を重ねてからは、恥ずかしくなって書かなくなったのですが(笑)。今でも『ピーター・パン』は大好きです。
宝塚の男役の研究のためには、洋画も数多く観ましたね。俳優さんの立ち振る舞いを意識したり、キャラクター的な役の時にはディズニー作品を参考にしていました。とにかくジャンルにこだわずに、いろんな作品を観ていました」
その後、彩輝さんは専科(組には所属せず、歌やダンス、演技などの技術を持つ実力者が在籍している)を経て月組トップスターに就任したが、その時に感じたものは、栄光よりも責任だったという。
「トップになると、見える景色は全然違いました。羽根の重さ(トップスターが背負う大きな羽根のこと)とともに重圧も感じて、まさしくトップというのはこの重さにふさわしいのだなと感じました。
でも、舞台は自分一人で背負っているのではない。私は何でもできるスペシャリストではなかったので、本当に周りの方に助けていただきましたし、たくさん支えていただきました。導いてくださる諸先生方やそういった仲間の存在があったからこそ乗り越えられたと思います」