投資の上で重要なことと、投資する余裕もない人がすべきこと

──確かに、ネット上には陰謀論を唱えるインフルエンサーや、怪しい投資系のアカウントがたくさんあります。

「やっぱり、どうしても世の中には変なものが出てきてしまいますし、そういうものに飛びついてしまう人もいるんです。料理で例えると、中華料理には北京ダックのような“王道”がある一方で、ゲテモノ料理のようなものもある。正統派のオーソドックスなものが存在しないと、人々は“ゲテモノが王道”と思い込んでしまいます。
 投資も同じで、怪しい情報に手を出し、損をして『やっぱり投資なんてギャンブルだ』と思ってしまう人もいる。それは私たちが最も避けたいことなので、皆さんには正しい知識を身につけ、資産運用に活かしてほしいと考えています。これから投資を始める方は、まず何が標準・正しいモデルなのかを学ぶことが重要です」

エミン・ユルマズ 撮影/松野葉子

 新NISAなどで投資ブームの昨今だが、一方では物価高に伴う生活苦も深刻だ。2025年の内閣府調査では「経済的なゆとりと見通しが持てない」と回答した人の割合は62.9%と、過去最多だった2024年の63.2%から横ばい。それでもなおインフレが続いていく中、人々はどのようにインフレ対策や資産防衛をすれば良いのだろうか。

 これについてエミン氏に聞くと、生活に余裕がない人こそ投資をすべきだという逆説的な答えが返って来た。

「日本には根強い貯蓄文化があり、生活に余裕がないと感じている人でも少しずつ貯金をしようとする傾向があります。ただ、現代のインフレ局面において、現金を貯蓄しているだけでは“購買力”がどんどん下がってしまう。新NISAなどを利用して、貯金感覚で投資を始めればいいのです」