「難しく考える必要はありません」月500円や1000円からでも投資をすべき理由

──投資には「難しい」というイメージからためらう人も多く存在します。

「そんなに難しく考える必要はありません。例えば、日経平均やTOPIX(東証株価指数)などの指数に連動する『インデックス』の積立をするとか。まずそこからがスタートです。
何かを積極的に売ったり買ったりというよりも、長期にわたって毎月同じ額、5000円でもいいから買うこと。これは、証券口座の設定をするだけで簡単ですし、これを続ければ、少なくとも自分が貯めているお金がインフレから守られます」

エミン・ユルマズ 撮影/松野葉子

 またエミン氏は、積み立てた金額ではなく、そのお金で“何が買えるか”が重要だと説く。

「額面の数字が上がった下がったというのは、画面上だけのある種の錯覚に過ぎません。重要なのは、“そのお金で何ができるか”という『購買力』です。5年前に5000円で食べられたものが、いま同じ値段で食べられるかというと食べられませんよね。そこが非常に大きなポイントなんです。
 5年前に10万円で買えたパソコンや、5年前に5000万円だった住宅が今いくらになっているか。首都圏のマンションなら1億2000万円を超えているものもありますよね。物の価格が上がり続ける時代においては、現金のまま持っていると同じものが買えなくなるんです。
 私たちはなぜお金を貯めたいのか? それは、人生何があるか分からないから。将来の大きな買い物や老後の備え、子どもの教育費……少なくともその『購買力』を守るために、月々500円や1000円からでも投資を始めるべきです。少額からでも始めないと何も変わりません。
 もちろん、その金額を出す余裕さえない人もいるでしょうが……それは世の中の方が間違っています。個人の努力でどうにかなるというより社会的な問題ですし、こうした人を救う世の中であるべきです」

 経済から金融、国内外の政治、文化まで語ってくれたエミン氏。幅広い上にどれも的確である聡明さは、現在の活躍が大きくうなずけるものだった。