15年間『会社四季報』(東洋経済新報社)全ページを読み込んでいるという分析力から、分かりやすい解説に定評があり、書籍が続々とヒットを飛ばしているトルコ出身のエコノミスト、エミン・ユルマズ氏。自身のXやYouTubeは常に高い閲覧数・再生数を誇り、経済系YouTubeチャンネルでの解説や連載も数多く行っている。今や“最も注目される文化人”の1人であるエミン氏に、日本社会の課題から経済の見通し、知られざる“好きなエンタメ”から転機=CHANGEまで、幅広く話を聞いた。【第6回/全6回】

エミン・ユルマズ 撮影/松野葉子

 現在、YouTube、X、note、書籍の出版や数々の連載、セミナーまでフル回転で発信を続けているエミン氏。その原動力に迫ると、第1回でも話した野村證券時代に遡った。

「私の人生は、大体8年周期でCHANGEしています。野村證券も9年近く在籍して、M&Aアドバイザリー業務や機関投資家営業業務をしていたのですが、2014年に行き詰まりを感じて退社しました。
 外資系企業などの面接も受けていたのですが、最終的には野村時代の上司だった渡部清二さんに誘われ、一般的な投資教育を行う『複眼経済塾』に参画し、そこでも約8年間活動しました」

──現在はご自身の会社をされていますが、これはどのような経緯で?

「2018〜19年頃にSNSをやり始めたら、コロナ禍も重なってフォロワー数がすごく伸びまして。それが出版社の方の目に留まって書籍化のオファーをいただき、本をたくさん出したんです。
 この頃にはYouTubeチャンネルも開設し、メディアへの出演機会も増え、公の場で発言する機会が多くなったため、よりこれらの活動に集中しようと現在の会社を設立しました」

──「集中」というと、発信への意識も変化しましたか?

「より分かりやすく届けたいと考えました。今は多くの人が投資に関心を持っていますが、変な知識を学んでしまうケースも増えています。正しい知識が十分にないと、人々は誤った情報や怪しい投資話に騙されかねません。
 3月に『90seconds』という短時間で解説する新しいYouTubeチャンネルを開設したのも、長い話ではなく短時間で、分かりやすく手軽に見てもらいたいと感じたからです」