撮影前まさかのアクシデント「隠してやり通しました」
そして、受け取った台本を読んで──
「扱っているテーマが『お別れ』や『死』だったので、重たい話になるかと思いきや、すごくポップで面白くて。観た後に温かい気持ちになれて、自分の周りにいる大事な人をもっと大切にしよう、そんな前向きな気持ちになれる台本でした」
──ポップで面白い、とはどのような部分でしょうか?
「本作はオムニバス形式でいくつかのエピソードが描かれているんですが、それぞれの登場人物が抱える後悔に対して、死神は『人間ってバカなのか』と少し俯瞰して見ているんです。死神には人間の感情が理解できないんですね。でも、私も台本を読みながら『確かにそうだよな』と共感しつつ、心では分かっているのに素直になれない人間って愚かだけど愛おしいな、と思わされたところに面白さを感じました。まあ、私自身も人間なんですけどね(笑)」
演じた佐伯美帆は、ヘアサロン「DASH」に勤務する美容師だ。
「撮影に向けて、プロの美容師の方にカットの仕方を教えていただきました。ハサミをお借りして、マネキンのヘッドを家に持ち帰って練習したんですが、そこで驚きの発見があって。プロの方が使うハサミって、持ち手のところに輪っかがあるじゃないですか。でもプロの方は、基本的にはあそこに深く指を通さないんですよ。その『輪っかに指を通さないカットの仕方』が本当に難しくて。『なんで輪っかがあるのに指を通さないんだ!』と心の中でツッコミながら練習していました(笑)」
この猛特訓の最中、あるアクシデントが起こったという。
「私、子供の頃からバスケをやっていて、今でも遊びでやっているんですが、撮影前に突き指をしてしまって、本番は突き指を隠してやり通しました。そういう意味では、ハサミに深く指を通す持ち方じゃなくて本当に良かったなと思っています(笑)」