ハッとさせられた先輩声優の言葉「大きな糧となったと思います」
「印象的な先輩はたくさんいるんですけど……いちばん刺激的だったのは、私がデビューする数年前にデビューしてた沢城みゆきさんですね。
当時私は中学生、みゆきさんは高校生でしたが、難しい学校の試験をこなしながら現場でも決して手を抜かない。その存在はあまりにもカッコよくて、同時にある意味怖かったです。私が子どもすぎて時々はしゃいじゃう瞬間なんかがあると、言葉ではなく視線で“遊びじゃない”ということを感じさせてくれました」
沢城さんといえば、数々のアニメキャラのほか、『報道ステーション』(テレビ朝日系)など硬派な番組で落ち着いたナレーションも披露する実力派だ。仕事に対する向き合い方も真面目で、若き日の井口さんは“プロ意識”を学んだ。
「今でも忘れられないのは、私が高校生になり、一緒にラジオをやらせていただいた時のことです。七夕の短冊にみんなで願い事を書くコーナーで、私が『期末テストでいい点を取りたい』というようなことを書いたら、みゆきさんが『それは自分で叶えることだよ。短冊に書くことかな?』って。勉強は自分の努力次第で、他力本願じゃダメだという意味なんですけど、ハッとさせられる瞬間でした。
みゆきさんは常に周りを見ていて、他人のことを思いやれる方です。自分の努力でしかなし得ないものがあること、周囲に目を向けることを、3つしか変わらないみゆきさんに気づかせてもらえたのは、大人に言われるのとはまた違う響き方があって、私にとって大きな糧となったと思います」