誰もが知る激動の政治家時代を経て、現在は弁護士として新たなキャリアを歩む山尾志桜里さん。幾度ものバッシング報道やSNSでの炎上に晒されながらも、決して折れることなくしなやかに立ち上がり続ける彼女の「強さの底」には何があるのだろうか。山尾さんのTHE CHANGEに迫った。【第3回/全3回】
政治家時代から現在に至るまで、常に世間の耳目を集め、時に猛烈なバッシングやSNSの標的となってきた山尾志桜里さん。普通ならば心が折れてしまうような環境にあっても、決してしなやかさを失わない彼女の強さの底には、検事時代に培ったある「気づき」があった。他人の評価という呪縛から自分を解放し、自らの人生を生き抜くためのメンタル術を聞いた。
──SNSでは心無い言葉も飛び交います。政治家時代も私人となった今でも、山尾志桜里という人物は常に世間の耳目を集め、時に激しいバッシングの対象になってきました。普通であれば心が折れてしまうような環境に飲み込まれても、次のステップを踏み出せる強さの秘訣はどこにあるのでしょうか。
山尾志桜里(以下同):SNSで激しい言葉を投げつけてくる人も、プライベートに踏み込んで来る雑誌の記者さんにも、きっと「そうせざるを得ない事情」があるんだと思うんです。その人にとっての正義だったり、あるいは生きていくために今それをする必要があるのかもしれない。でも、私はその人の事情を知りません。そして向こうも、私の事情を知らない。みんなそれぞれ自分の人生を背負っているだけ。
そう思えるのは、やはり検事という仕事が原点にあるのかもしれないですね。検事は犯罪を追及する仕事ですが、神様ではないので「その時に本当は何が起きたか」なんて、実は誰にも分からないんです。物証や供述、当時の画像といったピースをあてはめて、「おそらくこういうことが起きた」という最も事実に近いと思われることを起訴状に書いていく。その過程で、どんな人にも思いもよらない事情があるということを痛切に教わりました。
誰も他人の真実を完全には理解できない。だからこそ、他者の無責任な言葉に自分の感情のハンドルを握らせなくていい。もちろん傷つくことはありますけど、私はSNSのリプ欄を閉じていないんです。相手の背景にある「見えない事情」に思いを馳せて学ぶこともあるから。