ダンサーを目指していた時代と子役時代のプレッシャー「撮影初日は必ず…」
──幼少期のジム・キャリーの印象が、伊藤さんの俳優としてのベースにつながる部分もあるのでしょうか。
「俳優が悲しそうにしているから悲しいんだなとか、楽しそうにしているから楽しいんだというように、単純じゃない表現を追求したいという思いは、ジム・キャリーに教えてもらったことではありますね。滑稽に動けば動くほど切なく見えるとか、見ている側が翻弄されるような彼の表現は、小さい時にもらった衝撃でもあり感動でもある。今もその思いは変わりません」
そんな伊藤さんだが、幼少期は役者ではなくダンサーを目指していたという。オーディションで合格した『14ヶ月〜妻が子供に還っていく〜』で女優業の道へ踏み出すことになるが、志望とは違った芸能界への一歩は、どんな気持ちだったのか。
「撮影初日は必ずお腹を壊す子でした。どうしても、常に『審査されてる』『見られてる』みたいな気持ちがあって、緊張状態が抜けない。何かを残さなきゃいけないんじゃないかとか、印象に残らなきゃいけないんじゃないかとか、そういうプレッシャーがぐるぐるして本質にたどり着けていないことが、小さい頃はありました。
でも、大きくなってから、スタッフの方々とご飯を食べている時に、監督ですら『すごく緊張するよ、初日なんか』と言っていて、『なんだ、みんな緊張してんだ』と。自分だけじゃないと思ったら、オーディションも怖くなくなった気がします」
30代前半にして、早くも20年以上の俳優人生。「途中で辞めたくなったことは?」との質問に、伊藤さんは「ないです」と即答する。