『まんが日本昔ばなし』を舞台化するにあたり、伝えたい思い
『まんが日本昔ばなし』が持っている大事な部分を、いまの時代に伝えていきたいという思いが強いという。
「物語の内容だけでなく、そこにある語り口の優しさや絵の味わい、その一つひとつも魅力的ですよね。もちろん怖い物語もある。そういった恐ろしい物語ほど、余韻として心に残っていく。欲をかくと戒(いまし)めがくる、ウソをついてはいけないのだとか、しみじみ教えられました。おじいちゃん、おばあちゃんが言っていたことですよね。日本人が生きるうえで、昔から大切にしてきたことを、自然に感じ取ることができる作品でした」
1994年までに放送された作品は1400を超える。この中から、どの作品がどのように舞台化されるのだろうか。
「ほんとに驚きました。ホームページを見たらものすごい数で、タイトルを追うだけでも一苦労(笑)。これだけ作品数があると、よく知っている話もあれば、知らない話も多い。ぞっとする眠れなくなるような話もありましたよね。人柱の話(※)、あれ怖かったなぁ。お祭りを描いた話も多いですよね。日本の神事、祭り事、そういう伝統も自然に伝えていたんだと思います。
いまは、AIやSNSが発達して本当に便利な時代ですが、だからこそ、人と人の間にある忘れがちなもの、日本人が生きるうえで大切にしてきた思いを、もう一度舞台で伝えたいなと思っています」
(※『キジも鳴かずば』1976年05月15日放送)