「芸能の世界にチャレンジしなかった後悔」19歳で下した人生最大の“THE CHANGE”

 決断の理由は、俳優という仕事への挑戦だった。

「さかのぼれば子どもの頃から、何かしら人前に立って……それが音楽なのかお芝居なのかはっきりわかりませんでしたが、自分にしか伝えられないこと、自分にしか表現できないことをやってみたいという気持ちはずっとありました」

 しかし、それはあくまでも夢であり、リアルな目標ではなかった。

「高校時代までは、家族と一緒に住む家があって、信頼できる友人がいて、何て言うのかな……このまま平穏無事に暮らしていければいいや、みたいな甘えた気持ちがあったんだと思います」

 ところが、実家を離れてひとりで行ったアメリカでは、誰もが成功を目指して必死だった。そんな彼らを目の当たりにして、彼の心の奥底にあった夢が表に顔を出した。

「世界中からアメリカンドリームをつかみに来ている仲間たちをみて、自分が本当にやりたいことって何だろう?って改めて考えてみたんです。そのとき、芸能の世界にチャレンジしなかったことへの後悔が込み上げてきて」

 まだ、遅くはない。この先、ずっと後悔しながら生きていくのはイヤだ……。

「もしあのときに『もうちょっと様子を見てから』とか『成功できるかどうかわからないのに怖い』と二の足を踏んでいたら、たぶん、まったく違う人生を歩んでいたと思います。19歳でけっこう大きな決断をしたな、と思います、我ながら」

宮沢氷魚 撮影/有坂政晴