「まさか自分ががんだとは」
紹介状をいただいた病院で改めて内視鏡検査をしたら、素人から見ても明らかにがん。先生に「がんですか?」と訊いたら、「うん、がんだね」と。それからがん専門の病院を紹介されて行くと、「ステージ3の頸部食道がん」だと診断されました。
喉仏のちょっと下、鎖骨と鎖骨の間に4センチのがん。それ以外にも喉のところに3個、それから食道に1個の癌が見つかり合計5個の重複がんでした。
食事も運動も睡眠も、人一倍健康に気をつけている自負があったので、まさか自分ががんだとは、青天の霹靂でした。自分はならないと思い込んでいたけれど、あとで先生に話を伺うと、がんは今や2人に1人がなる病気。どんな人でも、なりうる病気ということです。
一方で、ようやく異物感の正体がわかってホッとした気持ちもありました。だって半年間、ずっと不調の原因が何かわからないままで過ごしていましたから。もちろん、その半年の間にがんは大きくなっていたのかもしれない。でも、どうしたって過去には戻れないし、なってしまったものは仕方ない。原因がわかったなら、治療ができます。落ち込んでいる暇はありません。
先生にどうしたらいいか聞くと、「これぐらいだと、普通はもう手術だね」って。食道を摘出する手術です。ただ私の場合、ちょうど声帯のそばにがんが複数あり、最大で4センチということから、外科手術は食道と一緒に声帯をとることになる。そうすると声を失うことになります。仕事柄、それは困る。そこで、抗がん剤と放射線での治療になりました。
がんだとわかった時に、何よりも私が大切にしたのは、「先生とよく相談をすること」です。お医者様だけでなく、看護師さんや薬剤師さんなども含め、少しでも不安要素があったり、自分の希望があったりしたら、どんな小さなことでも言う。わからないことがあれば、訊く。同時に、がんに関する知識を得ようと片っ端から勉強しました。