なにわ男子・西畑大吾を振り回す!? 天真爛漫で“小悪魔”なヒロイン・花森雪希を深掘りした「台本にない人生」

 取材スタッフが「お似合いです。美しいです」と漏らすと、「ありがとうございます」とはにかむ。

「お話をいただいたとき、まずはタイトルに惹かれました。『時給三〇〇円の死神ってなに!?』って。“死”を扱うテーマの作品はいろいろありますが、死神のアルバイトをする、という設定は初めてだしおもしろいと思いました。それに、死神の物語というより“人対人”の物語なんだな、というところにも心が惹かれましたね」

 福本さんが演じるのは、西畑さん演じる人生に絶望した大学生・佐倉真司を“死神”のアルバイトに誘う同級生・花森雪希。西畑さんと“死神バディ”となり、この世に強い想いを残す死者の心に寄り添い、それぞれの魂と、きれいごとでは済まないかかわりを持つ。

「重いテーマではありますが、花森さんと佐倉くんの掛け合いがすごく楽しいシーンもあって。コメディとシリアス、それぞれのシーンがすごく絶妙なバランスで入っていて、演じていてとてもおもしろかったです」

ーー天真爛漫な花森さんに引っ張られる佐倉くん、というふたりの関係性が心地よかったです。一方で、花森さんには、奥底に秘めた、誰にも掴めない何かが顔を出す瞬間があります。そうした心の機微や繊細な表情の変化など、難しかったのではないでしょうか。

「そうですね。花森さんは天真爛漫で明るくて、そのうえちょっと小悪魔みたいなところもあったりして、掴みどころがない子なんです。その明るさの原点ってどこなんだろう、というところから深掘りして、役作りしていきました。花森さんはあることがきっかけで人生が変わるのですが、何度も原作を読んで、その出来事をイメージして、そこからどんなふうに人生を歩んできたのか……とか、想像してみたりしました」

ーー普段から、原作を読み込んで役作りしているのでしょうか。

「今回は、原作を深く読もうと思ったきっかけがあったんです。西畑さんと、佐倉くんの元恋人・朝月静香役の渋谷凪咲さんと3人で本読みをしたとき、監督が渋谷さんに対して『朝月さんが1日をどういうふうにすごしているか、考えてみて』とおっしゃっていて。それを聞いて、自分も花森さんの人生を想像しようと強く思ったんです」

ーーそれで福本さんご自身は、原作を深く読み、花森さんの人生を想像しようと思うに至ったんですね。

「はい。台本に書いていないところを想像してみることって、たしかにすごく役立つな、と思いましたね」

福本莉子 撮影/松島豊 ヘアメイク/伏屋陽子 スタイリング/Lim Lean Lee