『スチュワーデス物語』の教官役で社会現象を巻き起こし、つかこうへい作・深作欣二監督の映画『蒲田行進曲』など数々の名作に出演してきた名優・風間杜夫(77歳)。
 現在も朗読劇『古事記』の全国ツアーに挑むなど第一線で輝き続ける彼が、「THE CHANGE」をテーマにキャリアを振り返る。  
 第3回は、スターダムに駆け上がるきっかけとなったロマンポルノ出演、運命を変えたつかこうへいとの出会い、そして『スチュワーデス物語』の熱狂を振り返る。【第3回/全5回】

風間杜夫 撮影/河村正和

「国営放送はもう出られないと…」日活ロマンポルノ出演からNHK大河抜擢へ! つかこうへいとの“運命の出会い”

 1982年、つかこうへいさんの舞台作品をつかさん自身が脚色し、深作欣二さんが監督を務めた映画『蒲田行進曲』が大ヒットする。“銀ちゃん”を演じた風間さんは、一気に注目の俳優にのし上がった。

「あの作品は、すごく評価されて、やっぱり嬉しかったですよね。もちろん、つかこうへいの原作の魅力なんですけど、あの映画が成功したというのは深作欣二という類まれな監督の力だと思うんですよ。

 つかこうへいの芝居って、衣装も舞台装置もない平舞台で稽古着のままでやっていて、それがつかの芝居の魅力だったんです。その状況の中でセリフだけでイメージを喚起するというかね。 

 ところが、映画ではまったく違う。ヤス(平田満)の部屋へ来て、“お前、このあいだのパンツを見せろ”って言って、竜が金玉握っているパンツが出てくる(笑)。

“金玉竜って言って、このパンツは縁起がいいんだ”っていう場面で、舞台だとこれをセリフで言ってるだけなんだけど、映画だと本当にそういう刺繍のパンツが出てくる。

 階段落ちにしたって、あんな巨大なセットを作っちゃうんですからね。映画ならではの作り。やっぱり深作さんの力が大きかった」

 風間さんにとっての大きなチェンジとなった『蒲田行進曲』。そして、そこにつながるつかさんとの出会い。さらには、NHK大河ドラマへの初出演も、実は意外な仕事がきっかけになっていたという。

「仕事がない頃、日活ロマンポルノの作品に出たんですけどね。正直なところ、ロマンポルノをやっているときは、もう国営放送は出られないな、と思ってたんですよね(笑)。

 でも、NHKの若いディレクターがそれを見て僕を大河ドラマの『勝海舟』に起用してくれたんです。当時、けっこうロマンポルノって、意識の高い人たちが観ていたんですよね。学園祭でも上映会があったりして。

 そこで観た人が“風間使ってみよう”と思ってくれて。それで大河につながりましたし、そういう意味では、つかさんと引き合わせてくれたのも、ロマンポルノなんですよね。

 つかさんの周囲の人がこれを観て、この風間というのは舞台もやってるらしい、というところから誘ってくれて出会わせてもらえた。なんだろうね、これも運命なのかな」

 風間さんの人と出会う力、作品との出合う力は間違いなく高い。