「その子と同じ高校で出会っていなかったら……俳優にもなっていなかったかも」
その事務所とは、現在の木戸の所属事務所トライストーン・エンタテインメント。
彼女の母親が、当時の社長(現・会長)を紹介してくれたことがきっかけで、レッスン期間を経て、その後に正式所属となった。
「その子と同じ高校で出会っていなかったら……友だちにならなかったら……お互いの夢を語らなければ……、ぼくはいまの事務所に所属することはなかったでしょうし、俳優にもなっていなかったかもしれません」
友だちに夢を語ったのは、いまから10年以上前の高校生のとき。そして現在29歳となった彼が映画『沖晴くんの涙を殺して』で演じるのは、津波で家族と一緒に流され、死神に「喜び」以外の感情「嫌悪・怒り・哀しみ・恐れ」を差し出すことで命を取り留めた高校生・志津川沖晴役だ。
沖晴は、末期の乳がんで余命1年を故郷で過ごすために帰ってきた音楽教師の踊場京香(広瀬アリス)と出会うことで、少しずつ感情を取り戻していく。
「最初に、額賀澪さんの原作小説を読んだのですが、沖晴は感情を取り戻していき、京香は死に近づいていく……」