お気に入りのサウンドトラックが、役へと繋がる入口に

──では、木戸大聖が100パーセント沖晴にCHANGEする瞬間は?

「そうですね……シーンによりますけど、一番多いのは監督の“よーい”の、かけ声かもしれないです。その声で、じわっと自分の中にいた沖晴が100パーセント表に存在するよう、自分の中のスイッチを切り替える努力をしています」

 特に集中したい撮影のときは、イヤホンで音楽を聴くこともあるという。

「沖晴じゃないですけど、五感のうちひとつでも遮断したいという理由で、音楽を聴いてまわりの音から逃れることがあります。これから撮影するシーンに自分で音楽を付ける感じで、サウンドトラックを聴くことが多いですね。特に好きなのが、得田真裕さんの音楽です」

木戸大聖 撮影/冨田望

 得田真裕氏は、木戸が出演したドラマ『海のはじまり』などの劇伴を手がける作曲家で、『アンナチュラル』『監察医 朝顔』『silent』など数多くの名作ドラマの音楽を担当している。

「沖晴を演じているときは、ドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』のサントラをよく聴きました。『お母さんの手紙』という曲が本当に良くて……」