子供の頃から正義の味方やヒーローよりヒールにひかれてしまう

 ドラマ『半沢直樹』(13年)では放送映画賞の優秀助演男優賞をいただきました。これまでに百本を超える映画やドラマに出演してきましたが、30代は犯人役ならすべてお受けしてました。なぜなら、ストーリーの中心人物になりますし、主演の方と、がっつり絡めるからです。レギュラーのお声掛けをいただいても、1話のゲスト出演に徹底してこだわったように思います。それに、子供の頃から正義の味方やヒーローよりヒールにひかれてしまうんです。それは今も変わりません。

 会計ソフト『楽々明細』のCMは、おかげさまで皆様に愛され、かれこれ9年やらせていただいております。この9年の間に横澤夏子さんは結婚され3人のお子様に恵まれました。私が彼女に初めて会った頃はベビーシッターのアルバイトをしながら芸人をやられていたように記憶しております。彼女の人間力を身近に感じられ刺激になると同時に、とても感慨深いです。

 演じた役には、常に後悔や反省ばかりです。もっとこうできたんじゃないか。準備が足りなかったんじゃないか。次はまた違う形でアプローチしてみよう。チャレンジし続けること。その繰り返しです。

 私は仲代達矢さんに育てられ、原田眞人監督に世の中に出して頂き、現事務所の万代博実さんに心と体の充実がいかに大事か教わりました。2025年に、この3人が亡くなられ心の中にポッカリと穴があきましたが、俳優として生きていくためのマウリを頂きました。このマウリを育み、これからも日々精進、人間修行、俳優修行に励む所在です。

滝藤賢一(たきとう・けんいち)
1976年生まれ。愛知県名古屋市出身。 『BULLET BALLET』で映画デビュー。『クライマーズ・ハイ』(08)で一躍脚光を浴びる。以降は、数々のドラマ、映画、CM等で活躍の場を広げる。近年の出演作に連続テレビ小説『虎に翼』、映画『木挽町のあだ討ち』『私はあなたを知らない、』『八つ墓村』『踊る大捜査線 N.E.W. メトロポリスを駆け抜けろ!』がある。11月28日公開の映画『戦場のボヘミアン カメラマン 石川文洋』ではモノローグを担当している。

映画『遥かな町へ』
原作:谷口ジロー
監督・脚本:錦織良成
出演:大谷亮平 及川桃利 磯谷萌々子 戸田菜穂 滝藤賢一ほか
48歳の建築デザイナーの中原博史は、仕事の出張帰りにふと故郷・鳥取の倉吉を訪れる。母の墓前でなぜか彼は1963年の町へと迷い込み、“14歳の自分の身体”に戻ってしまう。だが意識は48歳のまま。彼は思春期の少年として、再び家族と向き合うことにーー。
10月9日(金)より全国公開
配給:ムービー・アクト・プロジェクト
特別協力:映画「遥かな町へ」を応援する会
(c)2026映画「遥かな町へ」
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