2009年にテレビ朝日に入社し、情報番組などで活躍後、2019年に独立した宇賀なつみさん。自身の会社を立ち上げ、独自のペースで働きながら世界中を飛び回っている彼女が、過去3年間の旅の記録と心の軌跡を綴ったエッセイ『おもうがたび』(幻冬舎)を上梓した。
 第3回となる今回は、国内外を問わず当たりの酒場を引き当てる「お店選びの嗅覚」、家庭的な一面が垣間見える「得意料理」、そして小学生時代に実践した「ポジティブ自己改革」のルーツに迫る。【第3回/全5回】

宇賀なつみ 撮影/河村正和

 宇賀なつみといえば、大のお酒好き、そして食への探究心が旺盛なことでも知られている。書籍『おもうがたび』に収録されている、放送作家の小山薫堂さんらと実践したという「ワングラスツーリズム」のエピソードも実にユニークだ。

 これは、筒状の箱に入った「マイワイングラス」を持参し、そのひとつのグラスを片手に何軒もお店をハシゴするというもの。1軒目のイタリアンでワインを飲み、グラスに少し残ったワインを片手に夜の街を歩いて次の中華料理店へ向かい、そこではマイグラスでハイボールをいただく。さらにバーでカクテルを注いでもらううちに、それぞれのお店が繋がっていくような感覚になり、思い出ごと家に持ち帰ることができるという、素敵な企画だ。

 さらに、香川でのディープなスナック巡りや、モロッコの迷路のような旧市街で見つけた秘密の隠れ家のようなバーなど、彼女のお店選びの嗅覚は国内外を問わず鋭い。

「もちろん口コミサイトも参考にはするんですけど、あんまり信じすぎないようにしています。やっぱり実際に自分の足で歩いてみて、お店の雰囲気とか、働いている人、お客さんの表情を見て『ここ、なんか良さそうだな』と判断することが多いです。

 なんとなく『ここだ!』って思ったところは、自分の好きなものが詰まっていることが多いですね。レトロなスナックで、お姉さんと2人で飲むとか、モロッコで迷路みたいな階段を上った3階のテラス席で飲んだりとか。そういう発見はすごく楽しいですね」

 食事のルールも極めてシンプルで自由だ。フィンランドのサウナボートで湖に飛び込んだ後に食べた、朝採れキノコとサーモンのホイル焼きを「人生最高のバーベキュー」と絶賛する一方で、ソウルのホテルでは深夜にカップラーメンを背徳感たっぷりに味わう。

「ふだんの生活でも、旅行中でも、好きなものを好きなだけ食べているんですけど、私なりのルールがあって。

 お腹がいっぱいになるまで食べないことと、お腹が空いていないときは食べないこと。それだけは決めています。

 だから1日1食の日もあれば、4食の日もあります。毎日ガチガチに決めたくなくて、そのときに自分が欲しているものを食べるようにしています」