「リアルで操縦できるガンダムみたいな感じ」そのユニークな表現に込められた『報ステ』元キャスターの気持ち

 「リアルで操縦できるガンダムみたいな感じ」。そのユニークな表現には、自分の人生の操縦桿は絶対に誰にも渡さないという彼女の意志が込められているのだろうか。

 自分の人生の舵を自分で切るというスタンスは、プライベートにおける大きな決断にも明確に表れている。著書の中では、スペインのカナリア諸島を旅した際、親友のような夫婦関係に満足しつつも、自分の心の中に生まれた「結婚や家庭」に対する違和感に気づき始める描写がある。

「親友のような夫婦に憧れていたけれど、実際にそうなってみたら、夫婦ではなく親友でいいのではないかと思うようになってしまった」

宇賀なつみ 撮影/河村正和

 そして、その後、福島県の猪苗代湖で開催された音楽フェスを夫婦2人で楽しんだ翌日、手をつないで離婚届を提出しに行ったエピソードが綴られている。結婚を「失敗」ではなく「お互いをより自由にするための愛おしい前向きな卒業」として捉えたのだ。現在も連絡を取り合い、良好な関係が続いているという事実が、その決断の正しさを証明している。世間の枠組みにとらわれず、自分たちにとって一番心地よい距離感と関係性を再定義する。それもまた、彼女なりの自立の形なのだろう。

 次回はいよいよ最終回。世界中から家具を買い集めて作った「自分だけの城」への思いに迫る。

■書籍情報
『おもうがたび』
著者: 宇賀なつみ
発行所:株式会社 幻冬舎
発売日:2026年9月16日
定価:1,980円(本体1,800円+税)
内容:コロナ禍明けの3年間で国外27か所、国内13か所を巡った記録を綴る旅エッセイ第2弾。インドからカナダ、ルワンダまで、地球を舞台に自分と向き合った40篇に加え、撮り下ろしの「旅グラビア」も収録。人生の後半戦を面白く生きるヒントが詰まった一冊。