「都会ってすごいところだな」いまはもう離れた、東京の街に出てきて思うこと──。
東出が山で生活するようになって、約5年。彼が言う、飯を食うための“ライスワーク”であり、“ライフワーク”でもある、俳優業の仕事があるときにだけ、山を降りる生活を続けている。
「最近は、西新宿を通って稽古場に通っているんですけど、正午をまわると飲食チェーン店の前に長蛇の列ができているんですよ。おそらく60分程しかないお昼休みに、どんなに暑くても雨が降っても、スマホを見ながら待つなんて、都会ってすごいところだな、と思うんですよね」
──それは、山から降りてきたからこそ感じること?
「そもそも私は、ランチを10時半にとろうが、13時から食べようが自由なわけですよ。でも、西新宿あたりにある会社のほとんどが12時から“せーの”でランチ休憩になるから、並ばないと食べられない。でもそれって、ちょっとおかしくないかな」
確かにいまは、スマートフォンやメールでのやり取りがほとんどで、いつでもどこでも連絡が取れるわけだから、昔ながらの時間厳守ランチ休憩にこだわる必要はないのかもしれない。
「そもそも、東京は便利で住みやすいと思ったから人口がどんどん増えたわけですよね。で、人口が増えすぎたからランチに長蛇の列を作っている。便利を選んだのに、ずっと仕事に追われて、昼食を食べるために並んでいるっていうのを見ると“あらまぁ”と思ってしまう……っていうと、また一石を投じたみたいになっちゃうけど(笑)」