“山と街”、まったく違うふたつの場所で生活しながら、自由に生き、そして演じる、俳優・東出昌大の次のチャレンジは、シェイクスピアのハムレット。では、彼自身の“To be, or not to be”とは──?【第3回/全3回】

東出昌大 撮影/冨田望

「これまで、蜷川幸雄さん演出をはじめ、いくつかの『ハムレット』を観てきましたが、正直な印象を言うと、めちゃくちゃ悩んでる青年だな、と(笑)」

 確かにハムレットは、父の死に悩み、母の再婚に悩み、叔父への復讐(ふくしゅう)を果たすべきかどうか、「To be, or not to be, that is the question(生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ)」と悩みまくる。

「この舞台『ハムレット、冬の旅』の台本監修をしてくださっているシェイクスピア研究家であり、数多くのシェイクスピアの新訳を出されている河合祥一郎さんの著書を読んだり、河合さんとディスカッションを重ねたりしていると、新たな発見がたくさんあるんです」

──ただ悩んでいるだけではない?

「いや、やっぱり悩んではいるんですけど(笑)、解釈は広がりましたね。なぜ彼はこんなにも懊悩(おうのう)するのか、感情の起伏(きふく)がどうしてこれほどまでに激しいのか、その意味みたいなものが、どんどんわかるようになってきました」