「このセリフは、“どのようにこれから生きていくか、それが問題だ”」
「ものをつくる人間は……というか、誰も選んだことのない道を行くと、その先にでもしかしたら素晴らしい景色が見られるかもしれないという、困難をいとわない精神があると思うんです。でもその一方で、安楽な道を歩きたいという気持ちもある。その狭間で悩むから、みんな勉強をするし、ものづくりにシャカリキになるんじゃないかな、と」
それが、“生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ”という有名なセリフに繋がる?
「このセリフは、自死するか、それとも今後も生き続けるかということではなく、“どのようにこれから生きていくか、それが問題だ”……という意味だと思うんです。その後に続く“非道な運命の矢玉をじっと耐え忍ぶ”というのも、いろいろ経験してきた今だからやっとわかる……というか、実感を伴って言葉にできる気がします」
『ハムレット、冬の旅』で、東出はハムレットを演じ、劇団四季出身の俳優、栗原英雄は『冬の旅』に登場する恋人に捨てられた男を演じる。栗原はドイツの詩人ヴィルヘルム・ミュラーの詩を作詞家・松本隆が訳したものを歌い上げるという。
「松本隆さんが作詞された曲……松田聖子さんやKinKi Kidsさんなどの曲をずっと聴いてきたし、以前、松本隆さんの詩を朗読させていただくというお仕事もあったので、“日本をずっと引っ張ってこられた言葉の使い手”だと、リスペクトしています」
インタビューをした9月下旬は、ワークショップ形式で台本を固める作業の真っ最中。本格的な稽古に入る前に、東出にはやることがあるという。
「まもなく、クマを撃つためにひとりで北海道の山に入ります」