シブがき隊はいろいろな実験ができたアーティスト

 当時は、『ザ・ベストテン』といった歌番組が全盛で、アーティストたちが切磋琢磨する日々だったという。

「でも、僕だけが実験していたわけではなくて、サザンオールスターズ桑田佳祐が『勝手にシンドバッド』でやってたんだけど、歌詞の意味よりも、リズムを大事にしていた。リズムを優先することで、ロック的なビートが出せた。この時代は歌詞を上手くリズムに乗せようとしていたと思います。そういう意味では、シブがき隊は、そういう歌詞を託せるアーティストだった。ちょっと不良っぽいイメージなだけではなくて、音楽的には歌詞でいろいろな実験ができたアーティストだったんです」

 森さんが手掛けた作品は玄人受けするものも多い。プロレスラーの藤波辰爾が歌った『マッチョドラゴン』のアナログ盤は、現在、その希少価値から実際の価格よりも高値で取引されるようになってしまった。

「あれは評判が良いけれど、僕の代表作を集めた『森雪之丞原色大百科』(2016年リリース)には残念ながら入れなかった(笑)。あの曲は原曲が外国曲(注:『街角ボーイズ(原題:Boys in the Street)』エディ・グラント)なの。でも、自分の作品であって、もちろん僕の言葉であるのは間違いない。ちなみに藤波さんは僕と同じ年。素敵な方だよね」

――森さんが、すごいと感じる楽曲はありますか。