「この環境に甘んじてちゃダメだな」自身を変えるために環境をリセットした
もちろん、それまで18年のあいだ、全くの変化がなかった……というわけではない。
「映像作品はデビュー作がピークで、そこから少なくなっていきました。その後、21歳のときに“舞台”というものを教えてくれた、劇団☆新感線に出合ったんです。そこでは“全然ダメだ”ってしょっちゅう怒られていて、何がダメなのか分からないなかでやっていって、もう必死でした。
その劇団☆新感線で学べたおかげで、Kinki Kids・堂本光一さん主演のミュージカル『Endless SHOCK』(2007年)や、他にも大きな舞台につながることができたんだと思います。そこで私も満席の舞台に立つことができたのですが、でもそれは自分がお客さんを呼んでいるわけじゃない。“彼らに熱狂している、彼らを見に来ているお客さんなんだ”という自覚があって。その当時、内心“自分はまだ20代前半だから呼ばれているけど、実力がなければ続きはしないだろう……”と、思っていました」
その後、26歳ごろの松本さんは、このままじゃダメになると思い、一度リセットすることを決意し、単身でイギリスに留学した。
「中学生からこの仕事をしていて、ちやほやされたことも少なからずあったけど、この環境に甘んじてちゃダメだな、何かを変えないと! とは思っていました。それで全てを捨てて……と言っても、そんなに仕事もなかったんですけど、言葉も分からない、誰も知らない、お金もないという環境で、かつ英語を学べる所に行こうと決めました。
ちょうど俳優の仕事も10年間やってきて、ひと区切りのタイミングだったんですね。当時は実家暮らしだったので、初めての一人暮らしでもあったんです。結果的には、打たれ強くなったなって思います(笑)」
松本まりか(まつもと・まりか)
1984年9月21日生まれ、東京都出身。B型。‘00年にテレビドラマ『六番目の小夜子』(NHK)でデビュー。テレビアニメ『蒼穹のファフナー』(テレ東ほか)やゲーム『FINAL FANTASY X』のリュック役など声優としても活動。’18年に放映されたドラマ『ホリデイラブ』での井筒里奈役で注目され、以降、ドラマ『どうする家康』(NHK)、『ミス・ターゲット』(朝日放送系)、映画『キリエのうた』(2023年)、『湖の女たち』(2023年)などがある。‘19年に「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2019』でニューウェーブアワード女優部門賞受賞。
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作品情報
ドラマプレミア23『夫の家庭を壊すまで』
原作:赤石真菜「夫の家庭を壊すまで」(HykeComic/Amuse)
出演:松本まりか 竹財輝之助 野波麻帆 野村康太 太田莉菜 田中美久 太田将熙 中島百依子(ダウ90000)/麻生祐未
毎週月曜日 23時6分~、テレ東系にて放映中
🄫「夫の家庭を壊すまで」製作委員会