芸能の世界では出会わない人たちとの交流がお芝居に活かされる
書道もお稽古に行くといろんなジャンルの仕事の人に会えるんです。お医者さん関係だったり、会社のお勤めの方だったり、誰かのマネージャーさんだったり…。そうすると芸能の世界で思い悩んでいたことも、いろんな人のお話を聞くことで、“あ、こういう世界もあるんだ”という突破口になることに気付いたんです。その方たちとお話するのがとっても楽しくて。それがまた逆にお芝居に入ったときに活かされてるような気もしていて……」
世界が広がったことが役者の仕事にもフィードバックされているという。
「芸能だけの世界にいた私とはまた違う視点からとらえることできるようになりました。出会いが広がるのは大きいことだなって思ってます。
だから、もっと早く自分自身のやりたいことをやっていけばよかったな、とも思うんですけど、でも、もしかしたらいろんな経験を経た今だから、そのありがたみや良さもわかるのかなと思っていて、“良いタイミングだったのかも”とは思っています」
さらに、最近では帽子のブランドも立ち上げた。きっかけは長く続く田中さんのラジオ番組。
「1日で帽子を作れる体験ができるよ、ということでラジオで行ったのがきっかけで、何個か帽子を作ってそれが趣味になってたんです。ある時、取材で今ハマってるものを3つあげてください、という質問があって。
そこでチラっと“帽子にハマってて……”と話したら、その記事の一文を見て、“一緒に帽子を作りませんか?”って声が掛かったんです。最初に声をかけていただいたときに“もしご一緒できるんだったら、全部ディスカッションして、生地も選んで、デザインも細かくやらせていただけますか?“と聞いたら、“やりましょう”って言っていただいて、それからもうすぐ5年目ぐらいですね。すごく楽しい仕事です。これもちょっとしたきっかけで生まれた『CHANGE』だと思います」