5歳のころより芸能活動を続けてきた俳優・小林綾子さん。子役時代を演じたNHK連続テレビ小説『おしん』での熱演は、いまでも日本だけでなく海外でも心を揺さぶり続けている。舞台でも映像でも、その世界にリアリティを持たせ、いつの間にか観客を引き込んでしまう稀有な存在感を放ち続ける小林さん。そんな小林さんのTHE CHANGEとは――。【第2回/全4回】

これまで幾度となく石井ふく子さんプロデュース、演出の作品に出演してきた小林さん。最新出演作『花嫁 ~娘からの花束~』も石井さん演出による舞台。夫の七回忌を済ませた片倉ちよ(久本雅美)のもとに、突然縁談が舞い降りたことに始まるホームドラマだ。向田邦子さん脚本の本作は、1977年にドラマ作品『花嫁』として初放送され、その後、ドラマ化と舞台化を繰り返し、今回、新たな時代設定とともに改めて舞台公演される。
「向田さんの作品は、何気ない、さりげない日常を表現してらっしゃって、温かい家族の姿や、人に対する思いやりといった、心通うものがいつも流れています。今回の設定は2018年なので、ほぼ今に近い形ですが、やはり昭和の雰囲気がありますし、現代バージョンになっても流れているものは変わりません。向田さんの描いているテーマは、今も昔も変わらないのだなと感じます」