大人気ドラマ『最後から二番目の恋』シリーズ(現在放送中のドラマは『続・続・最後から二番目の恋』・フジテレビ系)で、昭和の香りがする“長倉和平”を好演中の中井貴一が、舞台『先生の背中〜ある映画監督の幻影的回想録〜』で演じるのは、昭和の名監督・小津安二郎をモデルにした主人公。昭和・平成・令和を生きる俳優・中井貴一のTHE CHANGEとは──。【第3回/全4回】

中井貴一 撮影/有坂政晴 ヘアメイク/藤井俊二

 日本が世界に誇る映画監督・小津安二郎をモデルにした舞台作品『先生の背中〜ある映画監督の幻影的回想録〜』で、中井貴一が演じる“先生”は、どうにも調子が出ない。元気が出ないし、もう齢だ……と感じている。

「小津先生は60歳で亡くなられているし、この作品の“先生”の設定は57歳なんですよ。いまの感覚だと、まだまだ齢という感じじゃないですよね。だから、この時代……昭和30年代の60歳は、いまの80歳くらいの感覚なんだと思います。それだけ、人間の成長の仕方というのが変わったような気がします」