まだ未入荷の老いがある
・(高木JET晋一郎、以下ーー)伊藤ガビンさんは1963年生まれの62歳、1966年生まれの59歳と、いわゆる「アラ還」という年齢が共通していると思いますが、それはお二人の本の中でも一つの軸になっていますね。
ひうら:私の本は旅がテーマではあるけど、「元気で好きな場所に旅に出られるのは、あとどれくらいかな」という、老いも一つのトピックなんですよね。だから、ガビンさんの本には共感する部分もたくさんありました。ガビンさんの「まだ未入荷の老いがある」という概念がすごく新鮮でした。

ガビン:老いは自分だけの新しい気づきをくれるんですよ。「え!またオリジナルの新規コンテンツですか!?」みたいな(笑)。
ひうら:確かに、いろんなジャンルの、人それぞれバラバラな老いがくるんですよね。
ガビン:だから「なんで四十肩について書いてくれないんですか?」と聞かれても、「すみません、うちは入荷してないんですよね、それ」って(笑)。
ひうら:私は更年期障害があまり強く出なかったんですよ。だから私には更年期障害が入荷しなかった(笑)。
ガビン:考えてみると、思春期の時に自分の身体に起こる変化とか、心のあり方、気持ちの高まりみたいなものは、コンテンツになりやすいじゃないですか。
