大ケガからの復帰が自信に
「鯖折り」という珍しい技での敗戦だった。ヒザを痛め、翌日から休場を余儀なくされた小錦は、以降、ヒザのケガに苦しむことになる。
翌名古屋場所は、全休。ところが、復帰の9月の秋場所では、12勝を上げる活躍を見せる。
「あの大ケガ(右ヒザ関節挫傷、内側側副靭体損傷)から復活できたことは、すごく自信になったね。自分では、カムバックしてからのほうが、むしろ強くなったんじゃないかなと思っているくらい(笑)」
九州場所で三度関脇の座をつかんだ小錦は、「次期大関候補」として名乗り出ることになった。
(つづく)
小錦八十吉(こにしき・やそきち)
1963年12月31日米国ハワイ州オアフ島生まれの元大相撲力士。外国人力士として初の大関として活躍。1982年:ハワイ大学付属高校卒業後、高見山 (現在の東関親方)にスカウトされ高砂部屋に入門。[大関通算成績]733勝498敗95休 [幕内成績]649勝 (歴代8位) [大関在位]39場所 (歴代4位)[三賞]殊勲賞4回、敢闘賞5回、技能賞1回
引退後は、タレント、アーティスト、イベントプロデューサーとしても活動し、テレビやCMに多数出演。NHK教育番組『にほんごであそぼ』レギュラー出演(2000年〜2023年まで20年間出演)。その他、ハワイアンミュージシャンとしてはアルバムを13枚出している。最近は オリジナルのBBQソースを開発し BBQマスターとしてイベントを開催。相撲普及活動にも力を注いでおり、世界中で相撲イベントを開催中。
<ボランティア活動>
ハワイ幼少期から精力的に行なっており、日本では1998年KONISHIKI基金設立し、毎年ハワイの子供たちを日本に呼び日本文化を体験させる活動を10年間続けた。阪神淡路大震災、中越地震、東北大震災、熊本地震後には友人を募って物資を届けたりちゃんこ鍋や BBQの炊き出しを行なったりした。東北の子供たちにはコニサンタプロジェクトとしてクリスマスプレゼントを3,000個届けた。