ミュージカル『アイ・ラブ・坊っちゃん』の魅力「それぞれの人生と重なると思います」

 39歳の夏目漱石は、小説家として独立するために教師の仕事を辞めたいと願いつつも、家族の生活のために踏ん切りがつかず、妻や幼い娘にイライラをぶつけ、鬱々とした日々を過ごしていた。

「あの文豪にも、そんな時期があったのだということにまず共感できますよね。『アイ・ラブ・坊っちゃん』という作品の中で漱石はずっとイライラしているし、悩んでいる。そんな精神状態の時に、『坊っちゃん』という痛快な物語を書いたのがすごいと思うと同時に、そんな精神状態だからこそ書けたのかもしれない、とも思います」

 『アイ・ラブ・坊っちゃん』は、夏目漱石の人生と、小説『坊っちゃん』の物語がシンクロしながら進行する。

「主人公の坊っちゃんはもちろん、その他の登場人物たちにも漱石自身が投影されている部分があって、これまで知らなかった夏目漱石や小説『坊っちゃん』の一面が見えてくる。そしてそれは、観てくださる方それぞれの人生と重なると思います」