俳優は悩むのも仕事「正解なんて誰にもわからない」

 明治と令和、時代は違っても抱えている問題や葛藤は驚くほど似ていて、だからこそ、いま上演されることに意義があると井上は語る。

「なんだか、日本のミュージカルの状況とも似ていると思うんですよね」

——明治時代と日本のミュージカルが?

「明治時代は、それまで日本にはなかった西洋の文化が入ってきて、それを楽しみつつも、どうやってそれに対応していけばいいのか? 西洋人のようになればいいのか? とみんな戸惑ったと思うんです」

 しかし今は、みんな普通に洋服を着てハンバーガーを食べていて、それが西洋から入ってきたものであることも忘れている。

「でも、日本のミュージカルはまだ、その悩みの中から完全に抜け出してはいません」

 夏目漱石が、悩み苦しんでいたことが意外であるように、我々は完璧に見える井上芳雄が、その時代や漱石の悩みに共感できることにも意外性を感じる。

「まぁ、なんといっても、ぼくはプリンスですから、そう思われても仕方がないかも(笑) というのは冗談で、俳優というのは、悩むことも仕事だと思うんです。だって、正解なんて誰にもわからないんですから。ただ、舞台は良くも悪くも、幕が下りたらそれで終わり。気持ちを切り替えて次の舞台へ向かうしかないんです」

- 作品情報
ミュージカル『アイ・ラブ・坊っちゃん』
演出:G2
出演:井上芳雄、三浦宏規、小林唯、彩みちる、松尾貴史、春風ひとみ、土居裕子 ほか

- 音楽座ミュージカルオリジナルプロダクション
総指揮:相川レイ子
演出:ワームホールプロジェクト
脚本:横山由和・ワームホールプロジェクト
作曲・編曲:船山基紀
製作著作:ヒューマンデザイン

【東京公演】
2026年5月1日(金)〜31日(日) 明治座
【北海道公演】
2026年6月7日(日)〜14日(日) 札幌文化芸術劇場hitaru
【大阪公演】
2026年6月22日(月)〜28日(日)SkyシアターMBS

- 公式サイト https://www.tohostage.com/botchan/index.html