宝塚歌劇団在籍時には『ベルサイユのばら-アンドレとオスカル-』、『風と共に去りぬ-スカーレット編-』などで一時代を築き、その後も舞台俳優として第一線を歩み続けてきた麻実れいさん。徹底した役作りや、男役を極めた先に見えてきた「宝塚らしさ」とは──。舞台人生の転機、現在の心境まで、芸歴56年のキャリアを誇る麻実さんの“THE CHANGE”に迫った。【第2回/全2回】
人生の大半を舞台俳優として駆け抜ける麻実さんを支えたのは、徹底した役作りと56年間一度も休演しなかった自己管理。役作りに関しては、実績十分ながら“感謝”を謙虚に噛みしめる。
「振り返ると、本当に恵まれていたと思います。私は出演作品も役も選べない立場でしたけど、大きな作品にたくさん出会わせていただいた。特に、海外の方が演出家を務めた作品が続いた時は、私に染み付いた宝塚独特の“癖”を自然に取り除いてくれたんです」
宝塚の独特な癖……たしかに、宝塚出身者には共通した特徴を感じるが、いったいどんなものだったのか。
「たとえば、“つけまつ毛を取ってみなさい”と言われたり。実際に取って“鏡を見てごらん”と言われて見てみたら……その方が全然目が大きく見えた。
結局、海外の方は私が宝塚で男役だったということを知らないから、“この役はこういうキャラなんだ”と、自然に私に植え付けてくれるんです。そんな風に、自然に無理がない形で大切に育ててもらえて、もう感謝のしようがないし、本当に幸せでしたね」