「感情をごまかしたり、自分の中で蓋をして向き合わないようにするのが嫌」

――人間の業やエゴをむき出しにするような強烈な作品でありながら、それを「優しい」と感じるのは、具体的に演出や作品のどういった部分から受け取るのでしょうか。

「私が生きていく中で、つい自分の中に閉じ込めてしまったり、無意識にごまかしたりしてしまう感情を、白井さんの舞台は引き出して、思い出させてくれるんです。辛いことがあった時に“そんなこと忘れちゃえばいいんだよ”といった気休めを言うのではなく、“この痛みや苦しみを、そのまま感じていていいんだよ”と思わせてくれるような。現実逃避ではなく、目を背けないことを教えてくれる優しさが好きです」

――「苦しみから目を背けない」というのは、一般的には辛く厳しい面もあるかと思います。それがご自身にとっての優しさだと思うのはなぜでしょう?

「感情をごまかしたり、自分の中で蓋をして向き合わないようにするのが嫌なんです。たとえそれがマイナスの感情であっても。今回の舞台でも人間の負の欲望を知ることができますし、多彩な作品を通して、人間の感情を一番底の底まで体感できるのが、役者という仕事の好きなところでもあります」

清原果耶 撮影/冨田望 ヘアメイク/窪田健吾(aiutare) スタイリスト/井阪恵(dynamic)