宝塚歌劇団星組のトップスターとして、ダイナミックなダンスと包容力で一時代を築いた湖月わたるさん。劇団の変革期に活躍し、退団後も舞台人として確固たる道を歩む傍ら、新たな学びや挑戦を止めない。彼女の人生に起きてきたCHANGEを聞いた。【第1回/全2回】

湖月わたる 撮影/松島豊

 宝塚時代は174センチの長身を武器に、スケールの大きな男役だった湖月さん。だが、そのクールなイメージとは裏腹に、素顔は柔らかい声でよく笑う。

「実は声が高いんです。背が高い分包容力のある男役を目指していたので、ハスキーに聞こえるように声を作っていました。男役さんって、声作りで苦労するのが“あるある”で、私もそうでした」

 そんな低音も操り、先日の『TOKYO FM/BS11 presents 昭和100周年記念 昭和ゴールデンHITS 100 in Orchestra ~宝塚レジェンドスターたちが歌う昭和の名曲!~』でも、松任谷由実の『ANNIVERSARY〜無限にCALLING YOU』をはじめ、昭和・平成の名曲を歌い上げた。

──湖月さんの“音楽の原点”はどこにありますか?

「小さい頃、イモ欽トリオの『ハイスクールララバイ』が好きで、兄2人と一緒にマネをして踊っていました。親戚の集まりで披露して、それが人に何かを届ける楽しさを知った最初の記憶かもしれません」

──宝塚を志すきっかけは、このコンサートでも共演した麻実れいさんだったんですよね。

「麻実さんがトップスターでいらした頃、舞台を観て“ここに入りたい!”と心に決めたんです。今回の稽古でも麻実さんの歌声をお聞きした瞬間、1人のファンに戻っていました。もう、目がハートになったような気分でした(笑)」