とにかく「何者かになりたい」という気持ちがすごくあった
19歳の頃は八方塞がりでした。とにかく「何者かになりたい」という気持ちがすごくあった頃です。それを受験失敗が閉ざした。大学には入れない、バイトをしても面白くない、専門学校に行こうにも金がない。エッセイ本にも書いたんだけど、よく新宿の公園に行ってね。何かをするわけじゃない。将来の計画もなく、ただボンヤリとベンチに座っていました。その頃の自分にとって、公園というのはまだ社会とつながっていられる場所だったんですよ。どこにも所属していない自分が、それでもそこにいれば社会の一員でいられるような気がした。
今にして思うと、19歳って、何でもあって、なんにでも憧れられる時代だと思うんですけどね。森田公一さんの『青春時代』って曲もありますけど。ど真ん中にいる自分には、「自分が本当に何かになれるのだろうか」と、そればっかり考えて悶々とする。そんな19歳でした。
若い頃を振り返っていて、人や社会とのつながりは欲しいんだけど、人にバ〜ッと来られるのは苦手だから、「自分は接触恐怖症だった」と言っていました。でも改めて考えると、正確には「勝負恐怖症」だったように思います。例えば学生時代はサッカー部だったこともあるんですけど、1対0とか、スコアが出る。それが嫌だった。自分はスポーツがしたかったんじゃなくて、パフォーマンスがしたかったんだなと。身体能力があるからスポーツをやってみたけど、本当にやりたかったのはそっちじゃなくてパフォーマンスだった。断言していいと思います。