年齢を重ねてきたからこそできる表現
ただ、それが醍醐味でもある。初演のときはぶちかましです。頭にあるものを全部出し切って、投げかけて反応を見る。終わったらアンケートをもらって、ホテルに帰って夜中に読む。1公演で7本くらいのネタをやるのですが、「ベストワンはこれでした」という感想が多い。それはそれで嬉しいですよ。でも、7本全体をアルバムのようにして受け取ってもらえた、という感想が来たときが一番嬉しいです。シングル曲じゃなくてアルバムとして評価してもらえた、みたいな。そういう手応えを求めてやっています。
70代に入ってきて、老いということを考えないわけにいかなくなりました。あえて若者を演じようと挑戦した時期が5年ほどあって、見事に敗れ去りました(笑)。だけど気づいたんです。若者がじいさんばあさんと会うシチュエーションにしてしまえばいいんじゃないかと。そうすると、世代のギャップという楽しみをお客さんに渡せる。自分が若者を演じることでできるギャップと、舞台の上でやるギャップが重なって、もう一段、複雑になる。苦節5年の末に、ようやくたどり着いた感じです。年齢を重ねてきたからこそできる表現がある。まだまだ探していますよ、そういうものをね。