“ミステリーの女王”山村美紗氏の長女として生まれ、女優→マルサの女→主婦→女優と激動の人生を送り、65歳にして小説家デビュー!THE CHANGEしつづける山村紅葉、最大のTHE CHANGEは————!?【第1回/全3回】
「私ね、ずっと、母と似ていないことがコンプレックスだったんです」
山村紅葉が言う「母」とはもちろん、“ミステリーの女王”と呼ばれた作家、山村美紗氏のことである。
「母は容姿が派手でスポーツ万能、社交的な明るい人でしたけど、私は引っ込み思案で、自転車にも乗れない運動音痴な子どもでした。昔の親は子どもに『おまえは橋の下で拾ってきた子だから』と冗談半分に言ったもので、私が生まれ育った京都では『鴨川を流れてきた』とか、『三条大橋の下で拾った』とかいうご当地バージョンがありましたが、母は『紅葉はメコン川で拾った』とインターナショナルな言い方をしていました。もちろん本人は冗談のつもりだったのでしょうが、子ども心に『もしかしたら……』と不安でしたね。だって、本当に似てなかったんですもの」