研究に行き詰まって就職を決断も…バイオ研究と相場、一見まったく違うものがリンク
──生物学オリンピック優勝で理科一類に進学、生命工学修士という経歴ですが、なぜ証券会社を?
「ずっとバイオ(生物学)が専門でしたが、研究に行き詰まり、博士課程に進むか就職するか悩んだ末、就職を選んだんです。そこで『今までと違うことをする』『何が面白いだろう?』と考えているうち、『相場って生き物みたいで面白いな』と感じて証券会社を選びました。これも大きな転機でしたね」
これまでの専門分野だった生物学をリンクさせ、秒単位で様々な変動を見せる相場(マーケット)を「生き物みたいで面白い」と感じるのは、並々ならぬセンスが感じられる。現在の活躍も納得の、エミンさんの聡明さがうかがえるだろう。
さらには、野村證券という選択も、まるで将来を見通していたかのような思わぬ幸運をもたらす。
「当時は外資系金融機関が非常に勢いを持っていた時代で、“外資系で働くのが格好いい”という風潮がありました。私はあえて野村證券に入社したのですが、周りの人たちも『3年くらい働いたら外資に転職したら?』と言っていた。でも、その3年ほど後にリーマン・ショックが起き、外資系に進んだ人たちは次々とリストラされ、日系企業にいた私が生き残ったんです」
こうした経験もふまえ、「人生、何が幸いするか本当に分かりません。“これだ”と思った選択が、後にいい意味で効いてくることがあるんです」と語るエミン氏。投資も人生も“一寸先は闇”だが、判断次第で未来は切り拓けるのかもしれない。
(つづく)