本木雅弘が語る黒沢映画「ジワジワと何度も味わいが深まる映画」

本木雅弘(以下、本木)「ああ! だから、黒沢監督の現場は、基本的に定時で終われるように進行するんですね。そうすることで、みんながキチンと休めるし、翌日の準備もできる。とても合理的で理にかなっているな、と感じていましたが、今のお話を聞いて納得しました。さらに、監督は現場で絶対に慌てませんよね。穏やかな声と、学者のような佇まい……実際に教授でいらっしゃるんですが」

──黒沢監督は、東京芸術大学大学院の映像研究科映画専攻教授でもいらっしゃいますものね。

本木「『黒牢城』のカメラマンには教え子の方もいらっしゃいましたしね(笑)。監督が絶対的な信頼感があり、スタッフも俳優たちもこぞって吸い寄せられていく。私としては“俳優・本木雅弘”は黒沢さんの作品に呼んでいただけるようなタイプではないと思っていたので、お声がけいただいて意外かつ嬉しかったですし、自分の新しい側面を発見できたらという思いで参加させていただきました」

本木雅弘 撮影/有坂政晴 スタイリスト/田中伸紀



──見つかりましたか?

本木「いやっ、自分のポンコツぶりが露呈するばかり(笑)。監督は、引きの長回しが多いのですが、これがけっこう拷問で(笑)」

──カメラを遠くに置き、全身が映るような画角で、長いシーンをワンカットで撮るということですね?

本木「そうです。そんな中、私はお芝居をするときにどうしても顔、上半身に気が集中しがちで、全身を撮られると粗が映し出されているようでつらいのですが、監督独自の客観的な覗き方が、観るものに考えさせる余地を与えて、結果的に惹き込まれるという手法のようで勉強になりました。黒沢作品は一度でスッキリする作品と違い、ジワジワと何度も味わいが深まる映画なんだと思います」

──おふたりのTHE CHANGEをうかがって非常に興味深かったですし、もう一度『黒牢城』を観たくなりました。ありがとうございました。

©米澤穂信/KADOKAWA ©2026映画「黒牢城」製作委員会

▪︎作品情報
映画『黒牢城』
6月19日(金)全国公開中

原作:米澤穂信『黒牢城』(角川文庫/KADOKAWA刊)
監督:黒沢清
出演:本木雅弘、菅田将暉、吉高由里子、青木崇高、宮舘涼太、柄本佑、ユースケ・サンタマリア、吉原光夫、坂東龍汰、近藤芳正、矢柴俊博、木原勝利、河内大和、吉岡睦雄、上川周作、前田旺志郎、坂東新悟
荒川良々、渋川清彦、渡辺いっけい/オダギリジョー
配給:松竹
コピーライト:©米澤穂信/KADOKAWA ©2026映画「黒牢城」製作委員会
公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/kokurojo-movie/

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