退団から5年、CHANGEしたマインドと韓国エンタメの魅力

──韓国エンタメの魅力はどういった部分に感じるのでしょうか。

「人間ってみんなどこか不器用ですし、欠点もあります。韓国の作品はそういった部分を特別視せずに、でも魅力として描いている感覚があって、そこにすごく共感するんです。マフィア映画になるとバンバン血が飛んだりするのでそれはちょっと刺激が強いんですが(笑)。それぞれ違いがあって面白いですよね」

──具体的に、好きな作品を教えてください。

「『ナビレラ -それでも蝶は舞う-』というドラマが好きなんです。70代からクラシックバレエを始めるおじいさんの物語で、若いダンサーとの交流も描かれていて“人間、いつからでも新しいことにチャレンジできるんだ”と、勇気をいただきました」

「まだ30代。何にでも挑戦していい」と恩人・川村龍夫会長に背中を押され、新しい環境で役者を続けて5年近くが過ぎた珠城さん。『ナビレラ』が好きな理由には、そんな経験やマインドもリンクするようだった。

珠城りょう 撮影/三浦龍司

 こうして挑戦を続けるのは、プライベートがあってこそだ。

「ふと思い立ったことをやってみるのが、挑戦を続けられるコツだと思います。乗馬や陶芸もやってみたんですが、馬や土に全神経を集中させないといけないので、余計なことを考える隙がないのが好きです。あとは朝、なるべく丁寧にコーヒーを淹れる時間ですね。そういう自分を甘やかす時間を少しずつ作れるようになってきました」

──考えるのが好きな珠城さんらしく、目の前のことに集中できる活動がいいのですね。

「そうですね。もう少し考えないようにしたいと思いますが、癖だと思うので(笑)。最近、芸名の自分と本名の自分がグラデーションのように重なってきて、ようやく自分自身の心に素直になれるようになってきた気がします。“自分がこれを言ったらどう思われるんだろう?”という不安や心配が少しなくなりました。そんな些細な変化が、今はすごくうれしいんです」

 人が好きで、人が作るエンタメを愛するからこそ、20年近くを芸の世界に捧げてきた。好奇心と芝居への愛を糧に、これからも自然体で歩んでいく。