「もっと渋さや人間的に深みのある役にも挑戦していきたい」
そういえば、不思議な体験もしました。
僕、風水をけっこう気にするタイプで、“部屋に緑を置くと運気が上がる”と聞けば素直に置くし、リビングの向きも気にする。探究心が強いのか、知らないことを知るのが、ワクワクして好きなんですよね。
あるとき、高円寺にすごく当たるという占い師さんがいると聞いて、行ってみたことがあるんです。でも、いざ占ってもらおうと「何か悩みはありますか?」という質問に、「……いや、特にないです」としか答えられなくて。
よくよく考えたら、本当に悩みがなかったんです。そうしたら占い師さんが、だんだん「そんなはずはない! あなたは何かを隠している!」とヒートアップ。最終的に「われは神だ! さあ、悩みを言うのだ!」って、完全に“神”が降りてきちゃって(笑)。
それでも僕が「いや、本当に何もないんで……」って困りながら言い続けたら、ついにその“神様”が、ギブアップ宣言(笑)。そのとき、「あ、神様も心が折れるんだ!」ってわかったのが、その日いちばんの収穫でした。高円寺は役者さんが多い街だから、きっと占い師さんもお芝居が上手だったのかもしれません!
つらかったこと、悔しかったことを挙げるなら、デビューして間もないころ、とある先輩に「お前の芝居、マジでやばいよ。舞台そでで、みんな笑ってる」って言われたこと。さすがにそのときは悔しくて、「いつか見返してやる」って。その怒りが原動力になったかって? いや、怒りは怒りです(笑)!
でも、僕の根本にあるのは「自分は自分」っていう、すごくシンプルな考え方なんですよね。それは、母の教え……というより、母が特に何も言わず、自由にさせてくれたからかもしれません。周りに何を言われても、最終的に信じるのは自分の感覚でしかないから。だからこそ、いまは周りにいる素晴らしい役者さんたちの存在が、すごくポジティブな刺激になっています。
意識している人、というか、衝撃を受けた人を聞かれたら、松本潤さんと答えます。パフォーマンス中の指先の使い方ひとつ、所作が、息をのむほどキレイだから。僕もステージに立つときは、体のシルエットがどう見えるか、指をさす角度ひとつまで、すごく研究するようになりました。
うまい人を見ると、悔しいとか焦るんじゃなくて、「もっとうまくなりたい」「あんな風になりたい」って素直に思える。いまは、映像で見るようなリアルなお芝居を舞台の上でも追求したくて、自分で申し込んでワークショップにも通っています。
20代前半は、ありがたいことに元気でかわいらしい役をいただくことが多かったですが、もう僕も20代後半に。これからは、もっと渋さや人間的に深みのある役にも挑戦していきたいです。
もちろん、いま求められている自分の役割を全力でまっとうしながら。その先に、新しい永田聖一朗を見せられるように、これからも一つ一つの経験を大切に、楽しみながら進んでいきます。
正直なところ、共演者やスタッフさんから「良かったよ」と言ってもらうことはあっても、お芝居を細かく分析して褒(ほ)めてもらえることって、ほとんどないんです。でも、そんな僕の芝居をいちばん見てくれて、褒(ほ)めてくれるのは、間違いなく応援してくれるファンの皆さん。
お手紙やSNSのコメントで、「あのシーンのあの表情がすごく良かったです」「あそこのセリフの言い方にグッときました」みたいに、僕自身も意識していなかったような細かい部分まで見て、言葉にして伝えてくれる。
それを見るたびに、“ああ、ここまで見てくれてるんだ”って驚くのと同時に、めちゃくちゃ嬉しいし、本当に励みになっています。皆さんの言葉が、僕にとって何よりの褒め言葉であり、手応えです。いつも本当にありがとう。