権力を危険視する田原総一朗の“信頼する政治家”は…

──そんな日本にとって、最大の課題は何だと考えていますか?

「主体性だね。いつまでもアメリカに従属しているだけでいいのか。もちろん日米同盟は大事だが、日本もハッキリものを言うべきだし、日米地位協定も見直す議論が必要だ。アメリカと喧嘩する政治家が出て来てほしいけど、日本には軍隊がないから、軍事力を背景にした喧嘩では到底敵わない。何を武器にアメリカと喧嘩できるのか。そこは知恵と議論が必要だろう。
 主体性を突き詰めると、核武装論に行きつくが、原爆を二度も落とされた日本にその選択肢はあり得ない。では、どうするのか?……今も勉強中です。主体性を考えることは、僕なりの『非戦の流儀』なんです。若い人も主体性を持って頑張ってほしい」

──高市首相の政策とは合わない点も多いようですが、逆に信頼している政治家は?

「自民党の船田元や、落選してしまった小沢一郎、引退したけど亀井静香とか。齋藤健、小渕優子、福島伸享なんかもいいね。ああいった人たちは平気で人の批判をするから、僕は面白いと思うし信頼している。
 亀井とは今度対談する予定なんだけど、好奇心を持って人と会い、話すことは僕の仕事であると同時に、生きることそのものでもある。何歳になっても、自分にとって楽しいことをやるのが一番だ。
 権力の批判をするのも楽しいけど、“この国をどうしたらいいか”と考えることが何より楽しい。もう一度人生をやり直せるとしても、僕はまたジャーナリストをやっているね。政治家になりたいと思ったことはない。僕は権力者になりたくないし、権力は危険だから」

──最後に、長寿の秘訣を教えてください。

「好きなことが長寿の秘訣! 僕は仕事をしているときが一番楽しい。仕事ができれば机は段ボールでもいいし、あとは寝る場所と食事さえあればいいんだ」

 生涯ジャーナリスト・田原総一朗。命ある限り走り続けていく。

田原総一朗 撮影/冨田望